大使館と領事館と公使館の違いについて。在外公館との関係も解説
「アメリカの日本大使館では・・・」
「中国の日本総領事館が・・・」
ん?大使館と領事館ってどう違うの?
あわせて公使館や、在外公館との関係についても説明していきます。
大使館と領事館と公使館の違いは何?
大使館とは?
それではまず「大使館」について説明します。
日本と国交のある国に、一つだけ設置できるのが大使館で、
ほとんどの場合、相手国の首都に置かれます。
例えば、アメリカは日本と国交がありますね。
ですので、首都であるワシントンDCに日本大使館はあります。
また、中国も日本と国交がありますので、
同じように首都である北京に日本大使館はあります。
大使館は、国際法によって日本の領地と同じとみなされているので、
日本大使館に勝手に外人が入って来ることはできません。
日本人なら自由に出入りすることが可能です。
いわゆる治外法権が働く場所です。
また、大使館には代表である「大使」がいます。
大使は国家公務員で、主に外務省出身者が多いですね。
主要国の大使の年収は1800万円程度となり、
かなりの高額を支給されていることがわかります。
それだけ仕事がハードなんでしょうね。
日本大使館の主な仕事は、以下のようなものがあります。
[su_note note_color=”#fdfdd6″ radius=”9″]
- ビザの発行や調整
- 日本人が滞在中に事故や被害にあったときの救援
- 在外選挙の受付
- 戸籍や証明書類の発行
- パスポートの発行
- 相手国政府との交渉、連絡
- 相手国の政治、経済その他情報の収集
- 広報文化活動
[/su_note]
海外に旅行した際に、大怪我をしたとか、スーツケースを
紛失してしまった、パスポートがなくなった、お金が盗まれた、
などの被害にあって困ったことがあったら、日本大使館に
連絡をすると無事に解決するように手助けしてくれます。
領事館とは?
それでは次に領事館について説明していきます。
領事館は大使館と違い、相手国に対して複数設置することができます。
銀行に例えるならば、大使館が「本店」で「領事館」が支店と
考えるとわかりやすいでしょう。
例えば、アメリカは領土が広いため、大使館がワシントン一か所だけだと
遠くに住んでいる日本人には非常に不便です。
ですので、支店として領事館がアメリカの主要都市に設置されているのです。
アトランタ、シカゴ、サンフランシスコ、デトロイト、ヒューストン・・・
全領事館の数は、15になります。
領事も外務省出身者が多く、年収は1300万程度のようです。
[su_note note_color=”#fdeded” radius=”9″]仕事内容は大使館とほとんど同じで、パスポートやビザの発行で、 アメリカに住んでいる日本人をサポートしてくれます。[/su_note]
大使館と違って領事館は基本的に外交を行いません。
日本人のサポートのみに専念すると考えてよいでしょう。
また、もう一つの違いは相手国と国交がなくても設置可能という点ですね。
領事館の目的に通商促進がありますので、相手国の許可があれば、
いくつでも作成することが可能なのです。
総領事館と領事館の違いは?
ニュースや新聞などのメディアでは「日本領事館」とは言わず、
「日本総領事館」と呼んでいます。
昔は領事館と呼んでいたのですが、格上げされたことによって、
今まで領事館と呼ばれていたものはすべて「総領事館」になっています。
なので日本が海外に設置しているのはすべて「総領事館」です。
外国が日本に設置しているのは、普通の「領事館」の場合もあります。
公使館とは?
では最後に公使館について説明していきます。
実は、今現在は公使館というものは存在していません。
戦時中は日本にとって重要な国、力のある国には大使館を
設置し、それ以外の国には公使館を設置していました。
現在はそれらの公使館はすべて総領事館に格上げになっています。
ですので、外国にあるのは「大使館」と「総領事館」だけになります。
ですが、「公使」と呼ばれる人はいます。
位置づけとしては「大使」に次ぐ二番目の館員、となっています。
大使館や領事館と在外公館との関係は?
在外公館とは外国において、外交の様々な仕事を行う機関の総称です。
つまり「大使館」や「総領事館」は在外公館に含まれています。
また、「政府代表部」や「日本政府在外事務所」なども含まれます。
外交を行うために非常に重要な機関で現在、世界に207か所存在します。
まとめ
国交のある国にただ一つだけ設置されるのが「大使館」
大使館の支店として複数設置されるのが「領事館」
どちらも基本的な仕事内容は同じで、在外公館です。
そして「公使館」は現在は大使館に昇格したのでありません。
タグ:学び