国会議員の特権はなぜあるの?新幹線乗り放題だし逮捕もされない?
「大変・・・大変申し訳ありませんでした」
謝罪した国会議員は議員を辞職しました。
そういえば、国会議員には特権があるんでしたよね?
以前、杉村太蔵議員が年収2000万とかテレビで言って、
謝罪(彼は辞職しませんでしたね)していましたが、この特権って
なぜあるのでしょうか?具体的な内容を解説していきます!
国会議員の特権はなぜあるの?
現在、国会議員には特権が3つあります。
しかも、それらは日本国憲法で定められているのです。
それは、
- 歳費特権
- 不逮捕特権
- 免責特権
の3つです。
それぞれは後で細かく解説していきますが、これらの特権が
国会議員に与えられた理由はいろいろあります。
ま、一言で言ってしまえば「国民の代表として国会の活動をスムーズにするため」
ということですが、ちょっと歴史をさかのぼって由来を見てみましょう。
時は中世のイギリス。
議会と国王が権力争いをしていた時代までさかのぼります。
当時は、議会と国王の力関係は対等ではなく、
国王の方が圧倒的に強い力を持っていました。
そのため、国王によって議会は圧力をかけられたり、弾圧されたりしてきたのです。
この当時の議会に参加していた人々は普通の民衆の代表なので、
専門の議員ではなく、仕事を休んで議会活動をしているわけです。
議会が長引けばそれだけ自分の収入がどんどん減っていってしまいます。
それを避けるために、議員が心置きなく議会活動に集中できるように、
議員への経済的な保障が生まれました。これが歳費特権です。
また、当時は議会中に過激な意見を言った議員が
国王に逮捕されてしまう、ということもありました。
「都合の悪い奴は捕まえろ!」という昔ならありそうな無茶苦茶な話です。
これでは国王に対抗して意見をいう人は誰もいなくなってしまいます。
ですので、議員は議会の開催中は逮捕されない、という不逮捕特権ができました。
また、この過激な発言や、国王を批判するような発言をしたことで
罪に問われてしまっては、十分な議会活動ができませんね。
ですので、議会内での発言は議会外では問われることがない、
という免責特権が生まれたのです。
歴史を紐解いて考えてみると、こういう経緯で議員特権が生まれたんですね。
ただ、現在の状況では庶民感覚からかけ離れているので、
「そこまで必要かな~?」と思っている人が多くいるのも事実です。
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国会議員は特権で新幹線に乗り放題?
日本国憲法第49条を見てみましょう。
この「相当額の歳費を受ける」という部分に新幹線乗り放題が含まれています。
国会議員にはJR無料パスが支給されます。
このパスを見せれば、JR,新幹線が日本中どこでも乗り放題で、
しかもグリーン席までオッケーなんですよ。
ちなみに、このJRの運賃、国会議員全員分をを合わせると12億円
ともいわれています。もちろん私たちの税金が使われているので、
「もったいないから削減したら?」という意見も聞かれます。
ですが、これにはそれなりの理由があるのです。
もし、すべての交通費を自腹にしてしまうと、今度はお金がかかり過ぎてしまいます。
その結果、企業との不正や癒着がますます進んでしまう恐れもあります。
また、新幹線でグリーン車に乗っていると、
SPが議員を不審人物から守りやすいのです。
グリーン車にいれば、不審な人が入ってきたらすぐにわかりますからね。
そう考えると、議員特権で新幹線のグリーン車に乗れるのも
うなずける気がしますね。
国会議員は特権で逮捕もされないの?
そして、国会議員は逮捕されない「不逮捕特権」も持っています。
それも日本国憲法50条に書かれています。
日本では裁判所よりも憲法の方が力を持っています。
ですので、もし裁判所が逮捕して拘留しとけ、と命令したとしても、
議院が釈放を要求した場合は、従わなければならないことになっています。
でも、あくまでも国会の会期中に限定されていますので、
国会が終われば再逮捕されることになるでしょうけどね。
国会議員の特権で言ったことは免責される?
最後の特権は「免責特権」です。
憲法第51条はこちら。
テレビで中継を見ていると、過激な発言やヤジをとばす議員がいます。
ですが、免責特権により、国会の会議内での発言に関しては
外では責任を取らされることはありません。
ちなみに、以前にセクハラ発言が問題になって謝罪した議員がいましたが、
あれは都議会です。国会議員のように免責特権はなかったんですね。
それで謝ることになったのです。
まとめ
今までの話をまとめて復習すると、日本の国会議員は
以下の3つの特権を持っています。
- 歳費特権
- 不逮捕特権
- 免責特権
私達国民の代表として保障されている権利ですので、
私たちの税金を使っているということを忘れずに、国民にとって
役に立つ政策を打ち立てていってほしいですね。
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